高専生の公務員就職の難しさについて

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高専生の就活事情

高専生の就活事情は、少し特殊なものとなります。

最も大学生の就活と異なる点は、高専生は主に「学校推薦」を利用した就活を行うという点だと思います。

「学校推薦」を利用する場合、同時に1社のみしか受験できない代わりに、選考の一部の過程が省略され、「自由応募」で就職活動をするより合格しやすいという特徴があります。(※1)

しかしながら、学校推薦が利用できるのは学校に求人票を送付した民間企業に限られます。

そのため、国や地方自治体への就職を行う場合は、一般的な応募によらなければなりません。

公務員と高専生

国の各省庁や地方自治体の中で高専生が主に就職するのは、中央官庁で言えば国土交通省、地方自治体で言えば都道府県・市町村の土木・電気系の技術職種、特別職の国家公務員にはなりますが、防衛省・自衛隊になります。

公務員就職のメリット

1つ目のメリットは、上に示した職種は定員倍率が低いことが多い点です。

定員に関しては、地方自治体では1つの役職に、1〜2名程度しか募集が無いことが多いです。

しかし、上に示した職種への応募が少ないのも事実です。

一般的な事務職の倍率に比べれば、低い競争で有ることが多いといえます。
(事務職の応募倍率が5倍〜10倍前後、技術職は1〜3倍前後のことが多いです。)

2つ目のメリットは、身分の安定です。

公務員は、懲戒免職及び分限免職などの限られた例外規定を除けば、免職となることがありません。

数年前に大企業だった会社が突如倒産する可能性のある現代において、倒産の可能性が著しく低い(実質無い)ということは公務員就職の大きなメリットとなります。

公務員就職のデメリット

1つ目のデメリットは、就職活動の時期が遅れてしまう点です。

省庁や自治体にもよりますが、選考の時期が6月以降であることが多いため、高専生が民間企業の就職活動を開始する3月に比べ、遅れを取ります。

すなわち、万が一公務員就職に失敗した場合、主要な民間企業の採用活動が終了しているために、不利益を被る可能性があります。

2つ目のデメリットは、一般応募による応募が求められる点です。

公務員は全体の奉仕者である以上、公正・公平な採用プロセスが求められます。

そのため、高専生を優遇する学校推薦の制度がなく、民間企業への就職をする人に比べてしまうと不利な戦いとなります。

3つ目のデメリットは、採用区分が微妙なことが多い点です。

自治体にもよりますが、採用プロセスにおいて、高専生は微妙な立ち位置となりやすいです。

というのも、大卒区分の職種は年齢制限によって受験できず、高専・短大卒区分の職種はそもそも設定が少ないことが多く、高卒区分の職種の場合は給与水準などに遅れが出てしまいます。

そのため、高専生が公務員になる場合、希望に合致する職種があればよいのですが、どうしても何かを犠牲にしないといけない就職活動になりやすいです。

公務員に近い会社

高専生による就職実績のある公務員に近い法人としては、

・行政執行法人たる独立行政法人(国立印刷局・造幣局等)

・独立行政法人(高専機構等)

・国立研究開発法人(日本原子力開発機構等)

・特殊会社(東京メトロ・NEXCO各社等)(※2)

の4種類が公務員に近い立場となりうるんじゃないかなと思います。

上に示した機関・企業の職員の身分は公務員に準じたものである一方、選考は、民間企業に準じたものです。すなわち、学校推薦による応募が可能な法人も存在します。(※3)

公務員就職に関するデメリットがいやだなぁと思った場合は、これらの会社も検討してみると良いと思います。

まとめ

高専生と公務員就活について解説しましたがいかがでしたでしょうか。

公務員就活のメリットは
・技術職は倍率が低い
・身分が安定する

公務員就活のデメリットは
・就職活動の時期が遅れる
・一般応募となる
・採用区分が微妙なことが多い

ということでした。

進路を決める上で参考にしていただければ良いと思います。





※1 受験が1社に制限されることに加えて、「学校推薦」を利用し内定を得た場合、内定辞退を行うことが原則できません。

※2 東京メトロ(東京地下鉄株式会社)は日本政府と東京都が、NEXCO各社の株式が日本政府が保有しています。(2022年現在)

※3 正確な身分は、行政執行法人たる独立行政法人は国家公務員、独立行政法人と国立研究開発法人はみなし公務員、特殊会社は収賄に関する特別の罰則がある職員となります。

※自衛官候補生の募集は1年を通じて行われています。

※昨年度は約50名の人が国土交通省に就職しています。これは全高専卒業生の就職する人のおよそ1%に相当します。(高専卒業生が毎年約1万人。就職する人が卒業生の50%として計算をした場合。)上に書かれたデメリットは国土交通省以外の中央官庁や地方自治体に関するものを含みます。

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