【3年間過ごして思った】沼津高専寮は自治寮ではないということ。

自治寮を自称する沼津高専寮は、本当に自治寮なのでしょうか?そもそも自治寮とは何なのでしょうか?一つ一つ見ていきたいと思います。

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自治寮の定義

自治寮の定義について、Wikiからの引用ですが、示しておきます。

自治寮とは寮生自らが管理運営に関与している学生寮のことである。自治寮には必ず学生自治組織が存在する。一方、寮生以外の第三者、例えば学校が全面的に管理運営している学生寮を管理寮と言う。

Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E6%B2%BB%E5%AF%AE 2021/01/30アクセス

この記事では、この定義を自治寮の定義として用います。

沼津高専寮の自治

沼津高専の学校説明会などに行くと、沼津高専寮の説明として、「沼津高専学生寮は学生が自治をしている、最大級の定員を誇る自治寮です。」などと説明がされると思います。

沼津高専寮の定員は、国内の高専寮の中で2番目か3番目に多いので「最大級の定員を誇る」という点に異議はないですが、「学生が自治をしている」という点については、異議を唱えたいと思います。

少し前の話になりますが、2012年11月27日の静岡新聞で、当時の遠藤寮務主事は、

「教職員は寮生が決めた人事、ルールの報告は受けるが、基本的には口を出さない」

(静岡新聞 2012年11月27日夕刊)

と発言しています。

当然、沼津高専寮は自称・自治寮であると同時に、教育寮でもあるため、学生による自治に一定の先生の制限がかかることは仕方のないことだと思います。

例えば、自治により、一部の学生の権利が侵害されているときや、寮生が喫煙・飲酒に代表される違法行為をしていることが明らかになったときや、学外の組織や人に迷惑がかかる可能性がある場合などは、先生が自治に介入しなければならないと思います。

しかしながら、それ以外の時、すなわち、学生がやりたいことが明確にあり、かつその行為が合法的で、かつ失敗をしても学外に迷惑の掛からない場合は、仮に失敗することが明らかであっても、先生が口を挟まない(助言にとどめる)のが、いわゆる自治寮なのではないかと私は考えます。(9年前はこのような寮だったのではないでしょうか)

では、今の沼津高専寮は、本当に、「自治寮」なのでしょうか?

私は「NO」だと思います。

その理由を紹介したいと思います。

理由①・先生による"厳しい"審査

1つ目の理由として、先生による厳しい審査があることを挙げます。

9年前の沼津高専寮では、学生の決めた、人事・ルールについて先生は報告を受けるが、それに対して口をはさむことは基本的にしないと書いてあります。

しかし、現在の寮は、残念なことに、人事・ルールを含めたほとんどのことに先生が口を出しています。

また、学生の提案が先生によって拒否されることもあります。

当然、その拒否をする行為が、教育上必要であるならば仕方ないと思います。

が、"自治寮"を自称するのであれば、先生による介入は必要最低限である必要があると思います。

理由②・形式的な民主主義

2つ目の理由としては、学生側の自治組織の形骸化が挙げられると思います。

学生側の自治組織である寮生会には、最高意思決定機関として、「寮生総会」が存在しています。

寮生総会には、会則改正権と予算案承認権が与えられています。すなわち国会のような感じですね。

しかし、寮生総会は実質的に機能していません。

どう機能していないかというと、寮生総会は寮生が自治をするための機関ではなく、寮生会が作成し、先生方が何重にもチェックし、先生方が承認したものを追認する機関に成り下がってしまっているんです。

”自治”を自称しているのであれば、寮生総会がとても重要な機関であるということは、言うまでもないと思いますが、その寮生総会が形骸化してしまっては、自治寮を自称する行為は控えた方が良いと思います。

今の沼津高専寮のやばさを分かりやすい例で例えると、内閣が提出した議案を、野党議員がいない国会で審議して可決しているような感じです。

私が経験した寮生総会は、ほとんどの議案が8~9割の賛成多数で可決されています。議案をしっかりと理解した上で、賛成票を投じているのなら良いとは思うのですが、ほとんどの人が「めんどくさい」からとりあえず賛成しているんじゃないでしょうか。

つまり...

では、ここまで来たところで、”自治寮”の定義をもう一度見てみると、

自治寮とは寮生自らが管理運営に関与している学生寮のことである。自治寮には必ず学生自治組織が存在する。
管理寮とは寮生以外の第三者、例えば学校が全面的に管理運営している学生寮をいう。

Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E6%B2%BB%E5%AF%AE 2021/01/30アクセス

とありますね。

沼津高専寮が、自治寮なのか、管理寮なのかでいうと、どちらかというと管理寮に近いのではないかと思います。

先生が、直接的に役職に就く学生を指名するわけではないですが、学生の決めた人事を拒否するという形で、間接的に人事権を行使していますし、寮生総会で審議する前に教員の厳しい審査を経ることで、実質的に寮の管理運営を行っています。

マテカや寮祭に代表される、学生主体で実施されている寮の行事もあるので、「沼津高専寮は管理寮である」とまでは言えませんが、9年前に比べて先生の介入が強くなっていることは確かだと思います。

改善策

では、現状を改善するためには、どのようにする必要があるのでしょうか。

選択肢は主に2つあると思います。

1つ目は、管理寮への移行。

2つ目は、自治の範囲を明示したうえでの自治化。

1,管理寮への移行

今の寮とあまり変わらないかもですが、現状、間接的に先生が行使している権限を、直接的に行使できるようにして、円滑な運営かつ模範的な沼津高専学生寮を目指す方法です。

当然、対外的に自治寮を自称する行為は控える必要が出てくると思います。

2,自治の範囲を明示したうえでの自治

9年前の沼津高専寮を取り戻すような形です。

現状、学生の自治の範囲と先生の自治への介入の範囲というものが明示的に定められていません。

ゆえに、先生が積極的に寮の運営に口を出すようになってしまっているため、寮生会が寮生総会がどうしても委縮する傾向にあります。

先生の権限が明示されれば、寮生会や寮生総会がもっと活発に活動できるようになります。

一方、今まで「先生任せ」だったことが、学生がやらないといけなくなります。当然、寮生が今まで以上に積極的に寮について関心を持ち、ある程度プライベートを犠牲にしてでも寮の運営に時間を割く必要があります。

意欲の低下

「寮の運営主体が学生」であるためには、多くの学生が先生以上に寮のことを考え、時間を割く必要があります。

しかし、今の学生の内、寮についてまじめに考え、時間を割き活動をしているのは、本部役員・役員と呼ばれる一部の学生に限られているのが現状です。

当然、そんな一部の学生の力だけで、500人が生活している寮が運営できるわけないですし、必然的に先生が介入することになるのだと思います。

「私は役員ではないから、寮について何もしたくない」という人が多いのが今の沼津高専寮だと僕は思っていますし、毎年そういった人が増えてきているのが現状だと思います。

まとめ

学生が寮の運営に積極的じゃないから、先生が寮を運営することが、果たして良いことなのかは知りませんが、少なくとも、そうなった時点で自治寮ではなくなっていると思います。

「自治」について考え直す機会というものが、果たして来るのでしょうか。

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