沼津高専の転科という制度について、解説をしていきたいと思います。
制度の概要
入学した学科とは異なる学科に所属学科を変更する制度が、"転科"です。
学則では、以下のように規定されています。
転科を希望する者があるときは、校長は、学年の始めにおいて、選考の上第３学年までに限り、転科を許可することがある。
沼津工業高等専門学校学則第23条
転科の条件
転科をしたい場合、以下の2つの前提条件を満たす必要があります。
- 学年が1年次若しくは2年次であること
- 10月末日以前であること
そのうえで、以下の3つの条件を満たさなければ転科は許可されません。
- 現在の成績の席次がおおむねクラスの半分より上であること
- 転科を希望する理由が妥当であること
- (転科先学科の教員との)面接結果が良好であること
また、相対的な条件として以下の条件を満たす必要があります。
- 受け入れ先学科に転科する人数が3人以下であること
以上の計6つの条件を満たす必要があります。
制度の実質的運用
条件の中に、「学年が1年次若しくは2年次であること」とありますが、実質的に転科が許可されるのは1年次→2年次の進級の時のみです。つまり、この条件は「学年が1年次であること」と読み替えてください。
もう一つの条件と合わせれば、「学年が1年次であり、10月末日までに転科願を提出できること」が実質的な前提条件となります。
(もちろん、"規則上"は2年次→3年次の進級時でも転科はできますが)
転科の方法
- 10月末日までに「転科願」を担任に提出します
- 受け入れ先の学科の教員と面接します
- 教務委員会で許可されます
転科の理由
転科をする理由として様々な理由があると思います。
- 入試で第2志望の学科に合格してしまった
- 入学前の学科のイメージと違った
- 他学科の方が興味のある勉強ができそう
様々な理由があると思いますが、明確な意思を持ったうえで、転科後にどのような勉強をしたいのか、転科先の学科でないと勉強できないことは何か、転科をするために今何をしているか、卒業後にどの企業・大学に進みたいのかなどをしっかりと考え、その意思を面接でぶつけられればきっと転科ができると思います。
まとめ
今回は、沼津高専の転科制度について書いてみました。
もちろん、入学時に最適な学科を選択できることが一番良いですが、今の学科で5年間勉強できる自信が無い場合、転科をするにせよ、高専以外の進路に変更をするにせよ早めの選択が重要です。
おまけ
学校によっては、1年次が学科間をまたいだクラス編成(混合学級)となって、2年次進級時に学科を選ぶ高専(学科選択制度)もあるみたいです。つまり、入学時の学科はあくまでも仮配属ということです。
この制度の方が、学科の特徴を細かく見て学科を選択できるので、良いのかもしれません。
ほとんどの国立高専は寮がありますし、国立高専は試験内容が共通なので、もし学科選びに不安があるなら、2年次に学科選択制度のある高専の受験を検討するのも良いと思います。
参考)転科実施要項
11．転 科 実 施 要 項
このことについて、沼津工業高等専門学校学則第23条の規定に基づき、次のとおり実施する。
（転科学年）
１ 転科については、原則として第１学年から第２学年の進級時とする。
（入 員）
２ 転科による受入人員は、各学科３名までとする。
（願 出）
３ 転科を希望する学生は、転科の意思を担任、所属学科長、受入学科長へ伝え、10月末日までに別紙「転科願」を担任に提出する。担任は「転科願」を速やかに教務主事へ提出する。
（選 考）
４ 教務委員会にて面接実施可と決定された後、受入学科は、面接試験を実施するものとする。実施後は転科面接結果報告書を教務主事へ提出する。
（許 可）
５ 校長は、教務委員会の議を経て許可を決定し、選考結果を速やかに当該学生に通知する。なお、教務委員会は、次の事項を総合的に勘案して審議するものとする。
① 学業成績がクラスの概ね上位1/2以上であること。
② 転科の理由が妥当であること。
③ 面接試験の結果が良好であること。
（その他）
６ 教務主事は､上記４及び５について12月末までに終了するよう日程調整をする。
７ 特段の事情がある場合は、この要項にかかわらず転科を許可することがある。
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